「閨川先生?今成瀬さんが走って出てきましたけど…何かありました?」

成瀬ひなりが理科室を飛び出した後すぐに、同僚の音咲が入ってきた。
成瀬に告白されたことを音咲に話す必要などないので、玲眞は何でもないですよと答えておいた。すると、

「告白されたんですよね?」

音咲は玲眞に真剣な眼差しを向けた。

「いや、その…」

成瀬のプライバシーの為、はいそうですと答えるわけにはいかない玲眞は音咲に背を向けた。
しばらくの沈黙の後、

「ねえ、閨川先生………玲眞先輩。」