成瀬ひなりを家まで送って行き、玲眞はそのまま家に帰った。

スマホには何十件もの通知があった。
合コンに行った鬼丸と白川が大量に画像を送ってきていたのだ。
しかし、玲眞はそれらを既読スルーして、ふと、先ほどの成瀬のことを考えていた。

玲眞は、あの時の成瀬が自分に何を言いたかったのかを本当は分かっていた。
分かっていたが、言わせるわけにはいかなかった。

頬を赤く染めて声を震わせながら自分に『好き』だと言った成瀬。
それが決して『教師として』などではないということなど、玲眞は分かっていた。