翌朝、アリスはミラの見送りに正門前に出ていた。

ミラは来た時と同じように軍服に身を包み国王やアリスにお礼を言うと馬車に乗り込んだ。

初めて他国の姫を迎える一大公務が無事に終わりアリスはホッと胸を撫で下ろした。


ミラはチラッとシドとアンナの顔を見ると優しく微笑んだ。

シドとアンナはミラに敬礼をした。
初めて会った時はこんな姫がいるのかと驚いたが、彼女はきっとこれからのカルドス国を次々と新しいものに変えて行くんだろうとシドは静かに思った。


「…アリス様、お疲れ様でした。来週からはアリス様がアナモネア国へ訪問ですね。」

ソフィアの言葉にアリスはふぅと息を吐いた。


「…アナモネア国。ルーン王子か…」

小さな声で呟くと、王宮の中へと入って行った。