開店から閉店まで神経を尖らせ、閉店後は最後まで残り掃除をし、1人店内の点検をする。

再び事が起きないよう、目を光らせているのだろう。

悠斗が裏でオーナーをしているホストクラブだ。

刑事に探られて不味いものなどないはずだ。

悠斗はその辺り、オーナーになるにあたりキッチリ精算したはずだ。

蜷川常務も用心深い人だ。

悠斗は店に出る時、オーナーとして振る舞うことはないのだから。

頭ではわかっていても、不安は募るばかりだ。

あたしも客としてホストクラブに行き、悠斗の様子を見守りたいくらいだ。

「凛子。お前は歌舞伎町(シマ内)のクラブに出入りしてはならん。いいな」

と、親父から頑なにホストクラブ通いは禁じられている。

騒ぎを起こしたホストを採用した奴が恨めしかった。