「そうなんだ。分かった」 洸に用事があるなんて私、聞いてない。 「何、気になる?」 私の帰り支度を待っている氷室くんは、私の反応を楽しんでいる様だった。 「何て、俺も知らないんだ。でも安心しろ、危ないことはしてないと思うから」 廊下を並んで歩きながら、彼は言う。 気にならないとは言わないけど、心配はしていない。 洸はきっと私が嫌がることはしない。