時間が経てばこの光景を見慣れるようで、あれ程騒いでいた生徒たちも、美月たちを日常として受け入れていた。


元より人気があった洸と付き合ったことで、美月を良い様に思わない人たちもいた。


だが、美月が生徒会役員ということもあるのか、何か仕掛けてくる様子は無かった。


「おーい美月、暫く洸は放課後用事があるらしいから、俺と倉庫行くぞ」


あれから、氷室くんはちゃんと授業に出るようになった。


多分、授業中も私を守るためなんだろう。


洸は隣のクラスだから授業の間は何かあっても私を守れない。


尤も、この進学校で何か起こるとも思わないけど。