「大丈夫だと思う。成績を落とさなければ」
両親は私の成績にしか興味が無いから。
それに洸は少し安心した様子になる。
「辛い時はいつでも言えよ。俺が泣かせてやるから」
優しい表情で、私のために言葉を紡ぐ。
「…洸が言うと変態っぽい」
「なっ、俺はそういう意味で言ったんじゃなくて…」
思わず冗談で返した私の本心に、洸は気付いていないでしょう?
私がどれだけ嬉しかったことか。
身を委ねる相手がいるということは、どれほど安楽か。
誰にも心を開かず、美月を演じるしかなかった私。
彼は正に、そんな私の光だった。