「お前なぁ、そういうのはもっと早く言えよな?」
洸が呆れたように言う。
でも、聞かれたこと無かったし…。
「こっちにも準備が必要なんだよ」
「ごめんなさい」
洸を怒らせると怖そうだから素直に謝っておく。
「まあいい。そろそろ九時か。美月、送る」
気が付けばもうそんな時間になっていて。
此処に居ると時が流れるのが速く感じる。
みんなの温かい笑顔に見送られ、私は洸と外へ出る。
「さっきは強引に門限まで居ろって言ったけど、親に怒られたりしない?」
洸なりに、私のことを気遣ってくれているんだろうな。
家での私の立場が無くならないように。