「だから俺を信じろ、美月」 真っ直ぐに私を見つめる。 嗚呼本当に。 狡い男だ。 「…信じてる」 私自身よりずっと、信じてる。 「だから私を離さないで」 洸の前でだけ美月でいられる私は、とっくに貴方に囚われて、もう離れられない。 「美月が離れなきゃ離れることはない」 今はただ、二人きりの甘い時間に溺れていたい。 そんな想いが重なるかのように、静寂の中二人は手を重ね、寄り添っていた。