「な、んでそんなこと言える…!」


花那ちゃんを人質に取られるとあんなに大人しくなった美月が逆らったのが信じられないのか、


顔は冷静に見せかけていても、固く握りしめた手が震えている。


散々美月を脅したんだろう。


じゃなきゃあの日すんなり美月を帰したりする筈がない。


「お前は花那ちゃんをぶっ壊したんだよ。花那ちゃんはもうお前のことを覚えていない」


「は…?」


俺の言葉を受け入れられないのか、唖然とする。


「いいか、二度とあの姉妹に近付くな。妙な真似したら白鳳を挙げてお前を潰す」


次第に顔色が悪くなって、冷や汗が一筋流れた。