「…花那、昨日のこと覚え、てる?」 怖いけど、核心に踏み込む。 昨日?と不思議そうな顔をして少し考え込んだ。 「学校から帰って来て、寝ちゃったみたいで夜ご飯まで起きなかったんだよね」 そう、恥ずかしそうに笑った。 隣に立つ洸と顔を見合わせる。 花那の中から昨日の記憶がすっぽりと抜け落ちてる…? そんなこと、有り得るの? 「…加賀秀人、って知ってる?」 一か八か。問いかけた質問。 私はこのとき、どちらを望んでいたか分からない。 「…誰?それ」 だけど、花那の答えは否だった。