「…優しくするつもりだったんだけどなぁ」 加賀くんは気怠げに息を吐いて、前髪をかき上げた。 「そんなに酷くしてほしいの?」 私の両腕をガッチリと掴み、頭の上へと挙げさせる。 そのまま片手で器用にネクタイを外すとそれで私の両手首を固定させた。 目の色が変わった彼にもはや抵抗など出来ない。 「美月の初めてが俺じゃなくても、最後が俺なら許してあげる」 その言葉遣いとは裏腹に、その行為に此方を思い遣る優しさなど無い。 彼が見せる激情に、私は早々に意識を手放した。