氷室から、白鳳は普段と変わった様子はないと連絡が入った。


美月は数秒固まり。


「…うん。花那に話してみる」


加賀と同じ暴走族という括りの人たちに会わせるのを懸念しているようだったけど、最終的には受け入れてくれた。


「花那に全てが知られたら、私きっと軽蔑されるね」


自虐的に、ゾッとするような空虚な瞳を浮かべて言う。


この危うさが俺をも惑わせ、恐ろしく感じさせる。


「もうこれ以上自分を責めるな。大丈夫、花那ちゃんのこともきっと解決するから」


美月に乗りかかる悩みを、取り除いてあげたいのに。それら全てが重すぎて。


忌まわしげに目を閉じる美月を抱き締めながら、思うように動けないリアルを酷く鬱陶しく思った。