少しの沈黙の後、加賀くんが短いため息をついた。
「今すぐ美月に会わなきゃいけないと感じたから。花那の連絡なら必ず来るでしょ」
「それで俺の質問の応えは？」
私と洸の間のすれ違いを本能で感じたというのか。
「…別に何もない」
テーブルに腕をついて私の顔を控えめに覗き込む。
「そうだなぁ、アイツに信じられないとでも言われた？」
その腕を組んで今度は引いて私の反応を探る。
「いや、美月なら違うか。俺のことが信じられないのかって言われた。違う？」
まるでその場にいたかのようにあのときの様子を当てられた。
私の全てを見透かすように思える彼の目から顔を逸らす。
