麗也は歩乃の側に来ると、歩乃をギュッと強く抱きしめた。

「ごめんアユノ…俺またやっちゃったよ…本当ごめんな…痛かったよな。」

さっき歩乃に暴力を振るっていた時とは別人のように弱々しく、泣きそうな声で謝りながら、麗也は歩乃の髪を優しく撫でた。

「もうやらないって誓うから…だから頼む…このままずっと俺と一緒にいてほしい……」

『もうやらない』
麗也のその台詞を、歩乃は幾度となく聞いてきた。
しかし、その約束が守られた事は無い。無いから今回麗也はまた歩乃に暴力を振るったのだ。