「ごめんね…レイヤ…」

ごめんなさい…
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…


歩乃は麗也の亡骸にしがみついて、いつまでも泣き続けた。
しかし、今更何を思おうと、復讐狐が遂行してしまった復讐は取り消すことなどできない。
麗也はもう、歩乃に再び暴力を振るう事も無ければ、束縛することもできない。
しかしそれと同時に、歩乃の手を優しく握る事すら二度とないのだ。


ごめんねレイヤ…大好きだよ…


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「復讐すれば大切な人を失う。
復讐しなければこれからもずっと暴力を振るわれる毎日が続く。
そんなジレンマの中、君は復讐することを選んだ。
いつかこの選択が正しかったと思える日が来ることを願うよ。」

歩乃のアパートを隣のマンションの屋上から眺めていた復讐狐はそう呟くと懐から一枚の紙を取り出した。