歩乃はごくりと唾を飲み込み、そっと自らの腹に手を当てた。

そうだったんだ…私…レイヤの子供を…
出来ることならこの子を産んで、家族3人で幸せに暮らしたい。
でも、レイヤが暴力をやめることは多分、絶対に無理なこと。
この人が言う通り、きっとレイヤは子供を虐待してしまうだろう…。
私はもう、レイヤの彼女である前にこの子の母親なんだ。
私が…私が今一番守るべきものは…

歩乃は復讐狐を真っ直ぐに見つめて言った。

「レイヤを…亜堂麗也を殺して下さい。
私は…この子と2人で生きていきます。」

さようなら…レイヤ…