歩乃だけでなく麗也の名前まで把握している復讐狐。歩乃は思わずえっ?と声を漏らした。

「…そ、そう。レイヤ。彼の事を…殺して欲しいの。……私なりによく考えて出した答えなんだよ?レイヤは私と別れたら死ぬって言ってるし、私だってレイヤがいなきゃ生きていけない。でも、彼からの暴力にこの先ずっと耐えていける自信がない。だから…」

「亜堂麗也殺しを依頼する代わりに自分の命を代償にする…と?」

さっきの変質者のような口調とは全く違う鋭い口調で復讐狐が歩乃の復讐内容を確認した。

「…そう。勿論殺人なんていけない事だってわかってる。でも、あなたに依頼した事は例え法に触れるようなことでも証拠が残らないんでしょう?だから…」