家に着くと、彼は繋いでいた歩乃の手をスッと離した。
そして、彼の顔からさっきまでの明るい表情はいつのまにか消えていた。

「入れ。」

麗也は歩乃が寝室に入るよう、目で促した。

…大丈夫…いつもと同じだから…殺されるわけじゃないから…

歩乃は心の中でそう呟いた。