長時間街を彷徨い歩いていた歩乃は、ふと、人気の無い裏路地に入った。
そして、道の片隅に力無くへたり込んだ。



「…仕方ないよね…もう…こうするしかない…」

午前2時。歩乃は復讐したい人間…麗也の姿を頭に強く思い浮かべた。
すると、

「僕をお呼びですか?」

振り返るとそこには、狐面で顔を覆った男の姿。

「その復讐…僕がお引受けしましょう…」