「…もう…無理だ…」

レイヤしかいない。
私にはレイヤがいなきゃいけない。
レイヤを失った私には何も無い。
そうやって我慢してきたけど…
やっぱり無理だよ。
このままじゃ私、どんどん壊れていく。
レイヤに殺されちゃう。
レイヤが殺人犯になっちゃう。
どうしよう…どうすれば……

歩乃は必死に考え込んだ。
すると、ふと会社帰りのバスでの女子高生たちの会話が脳裏をよぎった。

『ねえ、『復讐狐』って知ってる?』