「あれ?アユノちゃんじゃん!」

突然何者かに名前を呼ばれ、歩乃はビクッとして振り向いた。そこには会社の上司が2人立っていた。
1人は30くらい、もう1人は25くらいの男性社員だ。

「おつかれ!また明日ね!」

麗也がいるからか、2人は軽く挨拶すると会話をしながら去って行った。

どうしよう…レイヤに勘違いされたかな…?

恐る恐る麗也の顔を見上げる歩乃。
麗也は去って行った歩乃の上司2人をじっと睨みつけていた。
そして、歩乃の手を握る手の力がだんだんと強くなっていった。