…なんなんだ。


「…それは反則だろ」

「あー、待って。深井さん心臓に悪いんだけど…」


どうやら、私が何かしてしまったらしい。

別に、何かをしたつもりはないんだけど。

残り少なくなった作業をとっとと終わらせようと、テキパキと動く。


「深井さん、一緒に帰る?」


そんな誘いが伊澄くんからされる。

えー、何これすごい迷うんだけど…。

一緒に帰って損はないよねぇ…。

普段遠いどころからしか聞かない伊澄くんのハスキーボイスを耳元で聞けるんだし…。

わー、何この誘惑。

でもなぁ…今日はいいかな…。