「い、いえ…っ、大丈夫ですっ!

すっぽかされなくて、本当に…よかった」


不安そうに微笑んだ山村くん。

そういえば、夏休み3回くらいすっぽかしたんだっけ…。

そりゃあ、こんな悪評も付くか。


「で、話は?」

「そ、そうですねっ!

あの、僕っ、深井先輩のこと好きですっ!付き合って、もらえませんかっ」





ふっと、口元が緩む。



私の答えは決まっている。



「ありがとう。


でも…ごめんね、私、好きな人がいるの」




制服の下に隠した、ブレスレットに触れながら、私はそう彼に言った。

─end─