零れた涙は頬をつたう。


松下くんは薄く微笑むとギュッと私のことを抱きしめた。


「…ごめんな、栞帆の気持ち汲み取ってやれなくて。

俺、ずっと待ってるよ、栞帆のこと。

栞帆が俺の隣で笑えるようになるまで、ずっと栞帆の視界に入るところで待ってる。

…俺がお前のこと、好きじゃなくなるなんて、そんなこと絶対ないから。

栞帆が、あいつのことを兄弟だってわかっても好きでいるように、俺は栞帆がどんなやつに成り下がっても、ずっと好きだ」