俺が首を縦に振ると、栞帆は慣れたように大通りを歩いて、小道にそれで、海の傍、防波堤まで来た。

栞帆は手慣れた様子でそこに座り込んだ。

同じようにして、俺も座る。


「松下くんはさ。
初恋の人、どんな子だった?」

「…別に、可愛くて…明るくて、そんなこ」


突然の質問に意味がわからずそっけなく答えてしまう。


「…そっか。
私はさ…あいつだった」


あいつ、っていうのはたぶん、さっきのやつのことだろう。