女を連れている割に、栞帆に堂々と。

こんなの…。俺、すごく、惨めなんだけど。

周りは誰も俺たちのことなんて、気にしていない。

ざわざわと騒がしいこの空間で、俺たちは…違う、2人は生きる世界が違った。


「…うん。

…私も、大事だと思ってる、和久のこと。

すごく、大事。いろんなこと、教えてもらった。

まだ、縋っているかもしれない。もうしばらく、この気持ちをしまうことはできないかも…。

けどね、和久。

事実は、受け止めなきゃダメなんだって。

これだけ思っても…思っても思っても、どうにもならないことだって…ある、の」