男の俺が妬ましく思うくらいに。


「元気だったよ、うん。…栞帆が元気なら、よかった」

「私も…和久が元気なら、ちょっと安心」


ふわりと微笑む栞帆に黒い感情が渦巻くのと同時に、違和感を…覚える。

なんだか、世界が違う。

漂う雰囲気が違う。

俺が、入れる隙なんてない。


「後ろにいるのは彼氏?」

「…んーん、違う。…けど、今頑張ってるとこ」


一体、何をだ。

頑張ってるのは、俺じゃね?

お前を落とすために頑張ってるのは俺で…栞帆は一体、何を頑張って…。