君からのヘッドフォン

「…可愛すぎだろ」

「ん?どうしたの?」


呟いた言葉はどうやら栞帆には聞こえてなかったらしい。

よかった。


「んーん、別に」

「そ?行こ?」


そう言って俺の手を引いてずんずん前に進もうとする栞帆。

欲望に対する貪欲さがすごい。

それでも何も言わずについていくのはこいつを眺めてるのを楽しいって思ってるから。


ラッコだの、白いイルカだの、ふわふわ泳ぐクラゲだの。

見ていて面白い。

ただ、そいつらが入っている水槽にべったり張り付いている栞帆もなかなか面白い。