君からのヘッドフォン

他人事のようにそういうと、俺の服の裾をつかんだ。


「どっか行っちゃわないように、つかんどく」


あー…どうしよう。

ちょっと、だけ。こういう時くらい、俺のわがまま聞いてもらうか。


「…服伸びんだけど」

「あー…たしかに…」


そう言って悩む栞帆の手を握る。


「へ?」

「…迷子になられたら、俺が困る」

「そ」


栞帆は素っ気なく、一言だけ答えると手を握り返してきた。


〜っ、こいつ…こんなタイプだっけ。

自分でも顔が赤くなるのがわかる。