王女の機嫌を窺うような目をして、そう尋ねた靴屋に、セシリアは口元に手を当て、オホホと嘲るように笑ってみせた。
「わたくしに考えろと仰るの? それはあなたの仕事でしょう。わたくしは、好きか嫌いかを判断するだけよ」
「し、しかし、それではーー」
眉尻を下げながらも反論しようとした靴屋に、セシリアは「お黙りなさい!」とピシャリと言い放った。
「今すぐ帰ってデザイン画を描き直しなさい。来月のサロンパーティー用の靴なのよ。時間がないわ。もし間に合わなかったら、あなたのせいですからね」
理不尽な厳しい言葉をかけられて、コルドニエ主人は納得のいかない顔をしているが、それでも相手が王女では、この仕事を断るわけにはいかないのだろう。
立ち上がると、セシリアに向けて深々と頭を下げる。
「明日、新しいデザイン画をお持ちいたします」と言い、首を傾げて応接室から出ていった。
ドアが閉められ、三人だけになると、セシリアは大きく息を吐き出して、肘掛けにグッタリともたれかかる。
慣れないことをするのは、疲れるものであった。
「わたくしに考えろと仰るの? それはあなたの仕事でしょう。わたくしは、好きか嫌いかを判断するだけよ」
「し、しかし、それではーー」
眉尻を下げながらも反論しようとした靴屋に、セシリアは「お黙りなさい!」とピシャリと言い放った。
「今すぐ帰ってデザイン画を描き直しなさい。来月のサロンパーティー用の靴なのよ。時間がないわ。もし間に合わなかったら、あなたのせいですからね」
理不尽な厳しい言葉をかけられて、コルドニエ主人は納得のいかない顔をしているが、それでも相手が王女では、この仕事を断るわけにはいかないのだろう。
立ち上がると、セシリアに向けて深々と頭を下げる。
「明日、新しいデザイン画をお持ちいたします」と言い、首を傾げて応接室から出ていった。
ドアが閉められ、三人だけになると、セシリアは大きく息を吐き出して、肘掛けにグッタリともたれかかる。
慣れないことをするのは、疲れるものであった。


