自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-

二度目の口づけは、濃く深く、ゆっくりと交わされる。

振り切れそうな鼓動が苦しいけれど、それ以上のとろけるような幸福感を味わっていた。


(クロードさんの妻になれるなんて、夢のようよ。諦めないで、本当によかったわ……)


王女に生まれた運命だと、望まぬ結婚を受け入れていたならば、決して手に入れることができなかった幸せが、今ここにある。

これまでの空回りの努力も、無駄ではなかったということだろう。


頼もしい腕にうっとりと抱かれているセシリアは、ほんの少し目を開けてみた。

視界の端にチラリと映ったのは、クロードの額の三日月か……。

港で助けられたあの日から、一途に彼だけを想い続けてきた。

その愛しき彼と歩む未来への道が、明るい光と希望で溢れているように感じるセシリアであった。


【完】