自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-

庭師や靴屋、親友のイザベルに対しての計画は、ことごとく失敗してきたセシリアだが、今回は成功と言ってもいいのではないだろうか。

悪事を企てたわけではないけれど、結果としてそうなったことに喜んで、セシリアはキラキラと純粋な瞳を輝かせる。


それは少々違うのでは……と言いたげに苦笑しているクロードであったが、嬉しそうなセシリアを見れば、否定できないようである。

艶めく瞳にセシリアを映した彼は、柔らかな頬を大きな手のひらで包み込むと、フッと笑って頷いた。


「そうだな。セシリアは皆に幸せを与える清らかな悪役令嬢だ。心から君を愛しく思う。どうかこの先も、そのままの純真な君でいてくれ」


(清らかで純真な悪役令嬢? そんなの矛盾してるんじゃないかしら……)


目を瞬かせたセシリアだが、問いかけることはできなかった。

大人の男の色香を溢れさせたクロードに、腰を引き寄せられ、顎をすくわれて、唇を奪われたからである。