子供の頃、よくそうしてくれたように、国王は娘を腕に抱きしめる。
けれどもすぐに離して、娘の体を半回転させると、クロードの方へトンと背中を押しやった。
つんのめるように前に出たセシリアを、クロードがしっかりと受け止め、胸に抱く。
彼は感極まる感情を抑えようとするかのように、硬く唇を引き結んでいた。
「クロード、娘を頼むな。幸せにしてやってくれ」
国王に優しい声をかけられて、クロードは震える唇を開く。
「はい。必ずや。国王陛下の寛大なる慈悲に、感謝いたします……」
ついに認めてもらえた喜びと感謝に、頭を下げたクロードの瞳からは、こらえきれない涙が一筋流れていた。
セシリアは、彼の騎士服がしっとりと濡れるほどに泣いて喜んでいる。
ふたりの様子に満足げに頷いた国王は、近侍とともに執務室を出ていき、後にはセシリアとクロードだけが残された。
しばらくは言葉を発することができず、無言で抱き合うふたりであったが、心に落ち着きが戻り、涙が引いてくると、セシリアがふとなにかに気づいたように彼の腕の中で顔を上げた。
「クロードさん、わたくし、不良娘だとお父さまに言われてしまいました。それって、ついに悪役令嬢になれたと思っていいんですよね……?」
けれどもすぐに離して、娘の体を半回転させると、クロードの方へトンと背中を押しやった。
つんのめるように前に出たセシリアを、クロードがしっかりと受け止め、胸に抱く。
彼は感極まる感情を抑えようとするかのように、硬く唇を引き結んでいた。
「クロード、娘を頼むな。幸せにしてやってくれ」
国王に優しい声をかけられて、クロードは震える唇を開く。
「はい。必ずや。国王陛下の寛大なる慈悲に、感謝いたします……」
ついに認めてもらえた喜びと感謝に、頭を下げたクロードの瞳からは、こらえきれない涙が一筋流れていた。
セシリアは、彼の騎士服がしっとりと濡れるほどに泣いて喜んでいる。
ふたりの様子に満足げに頷いた国王は、近侍とともに執務室を出ていき、後にはセシリアとクロードだけが残された。
しばらくは言葉を発することができず、無言で抱き合うふたりであったが、心に落ち着きが戻り、涙が引いてくると、セシリアがふとなにかに気づいたように彼の腕の中で顔を上げた。
「クロードさん、わたくし、不良娘だとお父さまに言われてしまいました。それって、ついに悪役令嬢になれたと思っていいんですよね……?」


