王女が夜の海辺を散策していたら、人攫いの一味を発見し、騎士団長がひとりで立ち向かった。
王女は応援要請に、たったひとりで勇敢に、夜の街を走って城まで戻った……という、あの間違いだらけの武勇伝である。
それだけではなく、町娘たちが勝手に想像したことも噂に加わってしまったようだ。
王女と騎士団長は恋仲で、たびたび夜中に城を抜け出しては、逢引していた。
そして今回のクリミネル一家を捕らえた功労で、騎士団長は王女の婚約者として国王に認められた……という作り話が、あたかも真実のように広まってしまっているのだとか。
それは国王命令を受けた臣下の者、数十人が方々に出かけ、短時間のうちに調べてまとめた調査結果であった。
にこやかに報告書を読み終えた近侍に、セシリアは「ええっ!?」と驚きの声をあげ、クロードは絶句している。
ひとりだけ驚かずにクツクツと笑っている国王は、「その話は街中に広まっているのか?」と近侍に問いかけた。
「はい。王都の端でもすでに祝賀ムードが漂っているとのことで、おそらくは八割以上の民の耳に入ったのではないかと思われます。この分では、国土全体、いえ近隣諸国にまで伝わるのも、時間の問題でしょう」
王女は応援要請に、たったひとりで勇敢に、夜の街を走って城まで戻った……という、あの間違いだらけの武勇伝である。
それだけではなく、町娘たちが勝手に想像したことも噂に加わってしまったようだ。
王女と騎士団長は恋仲で、たびたび夜中に城を抜け出しては、逢引していた。
そして今回のクリミネル一家を捕らえた功労で、騎士団長は王女の婚約者として国王に認められた……という作り話が、あたかも真実のように広まってしまっているのだとか。
それは国王命令を受けた臣下の者、数十人が方々に出かけ、短時間のうちに調べてまとめた調査結果であった。
にこやかに報告書を読み終えた近侍に、セシリアは「ええっ!?」と驚きの声をあげ、クロードは絶句している。
ひとりだけ驚かずにクツクツと笑っている国王は、「その話は街中に広まっているのか?」と近侍に問いかけた。
「はい。王都の端でもすでに祝賀ムードが漂っているとのことで、おそらくは八割以上の民の耳に入ったのではないかと思われます。この分では、国土全体、いえ近隣諸国にまで伝わるのも、時間の問題でしょう」


