入ってきたのはクロードで、見たところ無傷であるが、疲労の濃い顔色をしていた。
それは肉体的な疲労というより、駆け落ちに失敗したことに対する精神的なものに違いない。
どことなく悔しげに見えるクロードに、セシリアは駆け寄り、両手を胸の前で組み合わせて謝った。
「応援を呼んだのはわたくしです。ごめんなさい。大勢の敵に囲まれたクロードさんを見たら、焦ってしまって……」
オロオロする彼女の頭に、大きな手のひらがのり、優しく撫でられた。
「君の気持ちはわかっているから、謝らなくていい。だが、困ったな。こうなれば城に帰るしかないだろうな……」
まだ夜が明けたばかりである。
今帰れば、王女が駆け落ちしたとは誰にも気づかれず、何食わぬ顔で元の生活に戻れることだろう。
捕まれば死罪という大きな覚悟をもって城を出たクロードなので、自ら帰るという決断を下さざるをえないこの展開に、深いため息をついていた。
「あの、諦めたりしませんよね……?」とセシリアが不安に思って問いかければ、彼は少しだけ微笑んでくれる。
「諦めるものか。一旦帰って仕切り直すだけだ。セシリアを他の男には渡さない」
それは肉体的な疲労というより、駆け落ちに失敗したことに対する精神的なものに違いない。
どことなく悔しげに見えるクロードに、セシリアは駆け寄り、両手を胸の前で組み合わせて謝った。
「応援を呼んだのはわたくしです。ごめんなさい。大勢の敵に囲まれたクロードさんを見たら、焦ってしまって……」
オロオロする彼女の頭に、大きな手のひらがのり、優しく撫でられた。
「君の気持ちはわかっているから、謝らなくていい。だが、困ったな。こうなれば城に帰るしかないだろうな……」
まだ夜が明けたばかりである。
今帰れば、王女が駆け落ちしたとは誰にも気づかれず、何食わぬ顔で元の生活に戻れることだろう。
捕まれば死罪という大きな覚悟をもって城を出たクロードなので、自ら帰るという決断を下さざるをえないこの展開に、深いため息をついていた。
「あの、諦めたりしませんよね……?」とセシリアが不安に思って問いかければ、彼は少しだけ微笑んでくれる。
「諦めるものか。一旦帰って仕切り直すだけだ。セシリアを他の男には渡さない」


