自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-

クロードに怪我はないようで、それは安心するところだが、駆け落ちできなかったことにセシリアは肩を落としている。


イザベルに頼んで、ドラノワ家の使用人を王城まで知らせに走らせた後、すぐに騎士や兵士たちが隊を組んで駆けつけた。

人攫いの悪党たちは瞬く間に全員捕縛され、密輸船も積荷も押収。

誘拐された娘たちも無事に解放となり、夜中のうちに一件落着となったのだ。


それを指揮したのはクロードで、セシリアはまだ、彼と話をすることもできないでいる。

今頃、彼は、押収した密輸品を調べているところかと思われる。

王女を連れて逃げるつもりが、騎士団長として働かざるをえない状況に陥り、おそらくは彼としても、なぜこうなったと気落ちしていることだろう。


(クロードさんが無事だったんですもの。応援を呼んだことに後悔していないわ。でも、駆け落ちに失敗したのは私のせいだから、後できっと叱られるわよね……)


「紅茶をもう一杯どう? お腹は空いてない?」としきりに心配してくれる親友に付き添われていたら、ドアがノックされた。