王城の兵を呼べば、駆け落ちは失敗となるだろう。
けれども、愛しきクロードの命の危機を感じたら、迷っていられない。
崖から離れたセシリアは、ドラノワ公爵邸の玄関に向けて全力で走る。
途中でつまづいて転んでしまったけれど、擦りむいた膝を気にしている暇はない。
息を切らせて玄関までたどり着いたら、真鍮のドアノッカーを激しく打ち鳴らした。
数秒してドアを開けてくれたのはガウン姿の初老の執事で、驚いた顔でセシリアを見ている。
「ど、どうなさいましたか……?」
まだベッドに入っていなかったイザベルも、何事かと二階から階段を駆け下りてきて、血相を変えたセシリアに目を丸くしていた。
「セシリア、どうしたの? 船になにか異常でも?」
「違うのよ! イザベルお願い、王城に知らせの早馬を出して。クロードさんが人攫いの悪党たちと戦っているの。このままでは、やられてしまうわ!」
「え、どういうこと? 駆け落ちは……?」
それから数時間が経ち、東の空が朝焼けに染まっている。
辺りはうっすらと明るく、海は穏やかに波打っていた。
ドラノワ公爵邸の豪華な応接室で、セシリアは長椅子に腰掛け、俯いている。
その隣に座るのはイザベルで、セシリアの肩を抱いて慰めてくれていた。
「タイミングが悪かっただけよ。また好機は訪れるわ。そんなに落ち込まないで」
「ええ、イザベル、ありがとう……」
けれども、愛しきクロードの命の危機を感じたら、迷っていられない。
崖から離れたセシリアは、ドラノワ公爵邸の玄関に向けて全力で走る。
途中でつまづいて転んでしまったけれど、擦りむいた膝を気にしている暇はない。
息を切らせて玄関までたどり着いたら、真鍮のドアノッカーを激しく打ち鳴らした。
数秒してドアを開けてくれたのはガウン姿の初老の執事で、驚いた顔でセシリアを見ている。
「ど、どうなさいましたか……?」
まだベッドに入っていなかったイザベルも、何事かと二階から階段を駆け下りてきて、血相を変えたセシリアに目を丸くしていた。
「セシリア、どうしたの? 船になにか異常でも?」
「違うのよ! イザベルお願い、王城に知らせの早馬を出して。クロードさんが人攫いの悪党たちと戦っているの。このままでは、やられてしまうわ!」
「え、どういうこと? 駆け落ちは……?」
それから数時間が経ち、東の空が朝焼けに染まっている。
辺りはうっすらと明るく、海は穏やかに波打っていた。
ドラノワ公爵邸の豪華な応接室で、セシリアは長椅子に腰掛け、俯いている。
その隣に座るのはイザベルで、セシリアの肩を抱いて慰めてくれていた。
「タイミングが悪かっただけよ。また好機は訪れるわ。そんなに落ち込まないで」
「ええ、イザベル、ありがとう……」


