裏庭を抜けると、そこは崖で、強い海風にセシリアの長い髪が横になびいた。
ドラノワ家所有の船着場は、この崖の下にある。
そこまでは、整備された石造りの階段がついているので、セシリアでも無理なく下りることができそうだ。
遠くに見える岬の灯台が、深夜の海を照らしている。
昼間に見れば、穏やかでコバルトブルーの美しい海なのだが、今は群青色をして、航海に出る者を飲み込んでしまいそうな恐怖を覚える。
けれどもセシリアは、怯まない。
先導して階段を下りるクロードの大きな背中は頼もしく、彼についていけばきっと明るい未来が開けるはずだと信じているからである。
むしろ胸が弾んで、冒険心が湧き上がるような楽しい心持ちであった。
(これから恋人と船で逃亡するのよ。私はすごいことをしようとしているんだわ……)
階段を下りきると、目の前の船着場には、イザベルが用意してくれた小型帆船が波に合わせて船体を揺らしている。
整備されていても、足元は波に濡れて滑りそうで、なおかつ足場は狭い。
「ゆっくりと歩いて」と振り向いて注意を与えたクロードに、セシリアは真顔で頷いたが、その直後に弾んだ声をかける。
ドラノワ家所有の船着場は、この崖の下にある。
そこまでは、整備された石造りの階段がついているので、セシリアでも無理なく下りることができそうだ。
遠くに見える岬の灯台が、深夜の海を照らしている。
昼間に見れば、穏やかでコバルトブルーの美しい海なのだが、今は群青色をして、航海に出る者を飲み込んでしまいそうな恐怖を覚える。
けれどもセシリアは、怯まない。
先導して階段を下りるクロードの大きな背中は頼もしく、彼についていけばきっと明るい未来が開けるはずだと信じているからである。
むしろ胸が弾んで、冒険心が湧き上がるような楽しい心持ちであった。
(これから恋人と船で逃亡するのよ。私はすごいことをしようとしているんだわ……)
階段を下りきると、目の前の船着場には、イザベルが用意してくれた小型帆船が波に合わせて船体を揺らしている。
整備されていても、足元は波に濡れて滑りそうで、なおかつ足場は狭い。
「ゆっくりと歩いて」と振り向いて注意を与えたクロードに、セシリアは真顔で頷いたが、その直後に弾んだ声をかける。


