自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-

似たような境遇のふたりは、お互いの気持ちがよくわかった。

そして親友として、相手の恋を応援したいと、心から思っているようである。

セシリアとイザベルは、目を潤ませてヒシと抱き合い、激励し合う。


「イザベル、あなたの恋もきっとうまくいくわ。諦めないあなたは、とても素敵よ」

「ありがとう。セシリアも幸せになれると思うわ。努力家で勇気があり、大胆なことをするあなたなら、必ず」


それからイザベルは体を離すと、門出に涙は相応しくないというように目元を拭い、ニッと笑ってみせた。


「セシリア、さあ、幸せな未来に向けて出発よ。さよならは言わないわ。きっとまた会えると信じてる」

「ええ。わたくしも、そう思うわ。イザベル、また会いましょう」


ふたりが友情を深めている間、初老の執事が用意した船の操縦について事細かにクロードに説明していた。

食料や水、着替えや毛布なども積んでくれたそうで、とてもありがたい。


セシリアとクロードは、イザベルと執事に感謝を述べると、乗ってきた馬を預けて別れ、ふたりで屋敷の裏手に回った。