「任務内容をお前に話さねばならないのか?」と不愉快そうな声で問いかけたクロードに、門番が慌てたように謝る。
「し、失礼しました。開門いたします」
夜のしじまに、鉄製の門が重たく軋む音が響いた。
馬が再び歩き出した振動が体に伝わり、セシリアは麻袋の中でホッと息をついた。
(よかった。無事に城外に出られたわ。この後は、ドラノワ家に行くのよね……)
次の目的地は、イザベルの住むドラノワ公爵邸である。
親友にだけは別れを伝えたいと思ったセシリアが、夕方、駆け落ちの事情を書いた手紙をカメリーに届けさせたら、返事を携えて戻ってきた。
それには、協力したいという旨が綴られていた。
ドラノワ公爵家は内陸部の領地の他に、小島を持っていて、そこに長年使用していない別荘が建っている。
そこにしばらく身を隠してはどうかと、イザベルは提案してくれた。
彼女の両親は今、遠く離れた領地の屋敷の方にいるらしく、王都には不在である。
そのため、公爵夫妻に内緒で、小型船も提供できる、とのことであった。
セシリアが親友からの手紙をクロードに見せて相談した結果、船はありがたく譲り受けることにした。
馬よりも短時間で、より遠くまで逃げることができるからだ。
ただし、小島の別荘は辞退した。
『どこから情報が漏れるかわからないから、行き先は誰にも教えない方がいい』
というのが、クロードの判断である。
「し、失礼しました。開門いたします」
夜のしじまに、鉄製の門が重たく軋む音が響いた。
馬が再び歩き出した振動が体に伝わり、セシリアは麻袋の中でホッと息をついた。
(よかった。無事に城外に出られたわ。この後は、ドラノワ家に行くのよね……)
次の目的地は、イザベルの住むドラノワ公爵邸である。
親友にだけは別れを伝えたいと思ったセシリアが、夕方、駆け落ちの事情を書いた手紙をカメリーに届けさせたら、返事を携えて戻ってきた。
それには、協力したいという旨が綴られていた。
ドラノワ公爵家は内陸部の領地の他に、小島を持っていて、そこに長年使用していない別荘が建っている。
そこにしばらく身を隠してはどうかと、イザベルは提案してくれた。
彼女の両親は今、遠く離れた領地の屋敷の方にいるらしく、王都には不在である。
そのため、公爵夫妻に内緒で、小型船も提供できる、とのことであった。
セシリアが親友からの手紙をクロードに見せて相談した結果、船はありがたく譲り受けることにした。
馬よりも短時間で、より遠くまで逃げることができるからだ。
ただし、小島の別荘は辞退した。
『どこから情報が漏れるかわからないから、行き先は誰にも教えない方がいい』
というのが、クロードの判断である。


