セシリアが階段に向けて走りだしたら、「望遠鏡を置いていってください!」と後ろから声をかけられた。
急いでいるため振り向きざまに投げ渡してしまったら、ツルリーが「わっ!」と驚きの声をあげる。
続いてガチャンパリンと望遠鏡が落ちて壊れた音がしたが、それに構っていられずに、セシリアは階段を駆け下りた。
(急がないと。クロードさんとお父様が、どこに行ったのかわからなくなってしまうわ……)
西棟の通用口から外に出たセシリアは、クロードたちが向かっていた方へと走っていく。
訓練場と馬場を過ぎ、兵舎の前に差し掛かったら、セシリアはふたりの姿を見つけた。
城壁内の北側は、森のように木立が広がっている。
今は隠居して、妻と共に田舎の離宮でのんびりと暮らしている先代の国王が、趣味のバードウオッチングを楽しむために茂らせた森だと聞いたことがある。
その森の中に国王とクロードが足を踏み入れたところであり、それを五馬身ほど離れた後ろから追いかけるセシリアは、首を傾げる思いで見ていた。
(話があるなら執務室ですればいいのに、どうして森で……?)
急いでいるため振り向きざまに投げ渡してしまったら、ツルリーが「わっ!」と驚きの声をあげる。
続いてガチャンパリンと望遠鏡が落ちて壊れた音がしたが、それに構っていられずに、セシリアは階段を駆け下りた。
(急がないと。クロードさんとお父様が、どこに行ったのかわからなくなってしまうわ……)
西棟の通用口から外に出たセシリアは、クロードたちが向かっていた方へと走っていく。
訓練場と馬場を過ぎ、兵舎の前に差し掛かったら、セシリアはふたりの姿を見つけた。
城壁内の北側は、森のように木立が広がっている。
今は隠居して、妻と共に田舎の離宮でのんびりと暮らしている先代の国王が、趣味のバードウオッチングを楽しむために茂らせた森だと聞いたことがある。
その森の中に国王とクロードが足を踏み入れたところであり、それを五馬身ほど離れた後ろから追いかけるセシリアは、首を傾げる思いで見ていた。
(話があるなら執務室ですればいいのに、どうして森で……?)


