「これまで、あなたをいじめてきてごめんなさい。これを機に心を改めるわ。わたくしたち、真の親友になりましょう。セシリア、大好きよ!」

「え、ええ。わたくしも、イザベルが大好きよ……」


セシリアが困惑している理由は二つある。

ひとつは、これまでイザベルに意地悪をされてきたのだと、やっと気づいたことだ。


(ドレスを破かれたのも、後ろから突き飛ばされたのも、わざとだったの? それなら、この前のサロンパーティーのあのことも、お手本じゃなかったということかしら……)


二つ目は、またしても悪役令嬢計画に失敗してしまったことである。


(イザベルがこんなに嬉しがってくれて、私も気持ちがいいわ。でも喜んじゃ駄目なのよ。悪い娘になりたいのに、どうしてこうなっちゃうのかしら……)


傍で見守っている侍女たちも、セシリアと同じように浮かない顔をしている。

それに気づいていないのか、イザベルはまだ抱擁を解かずに興奮していて、セシリアは困り果てていた。