背中と膝裏に回された逞しい腕と、騎士団長の階級章が輝く広い胸。
麗しい瞳と三日月形の額の傷が、わずか拳三つ分の距離にある。
鼓動を大きく跳ねらせて、耳まで火照らせた王女に、クロードはフッと口元を綻ばせた。
「失礼をお許しください。無理をして歩けば、悪化してしまいます」
「失礼だなんて、そんな……。あの、重くないですか?」
愛しい彼に抱き上げられ嬉しく思う一方で、体重を気にしてしまう。
ピアノの椅子の脚が折れたのはイザベルの悪巧みであったけれど、ドレスの胸元がきつくなったのは事実である。
乙女心から心配して問いかければ、ドアに向けてゆっくりと歩きだしたクロードが、セシリアを横目で見た。
その流し目に色気を感じて、さらに鼓動を高鳴らせれば、彼はクスリと笑う。
「抱き心地のよい重みです。このままセシリア様を抱いて、どこかへ連れ去ってしまいたい」
「ええっ!?」
「冗談ですよ。御者を待たせていますので、馬車に乗って帰りましょう。私の首に腕を回して掴まってください」
麗しい瞳と三日月形の額の傷が、わずか拳三つ分の距離にある。
鼓動を大きく跳ねらせて、耳まで火照らせた王女に、クロードはフッと口元を綻ばせた。
「失礼をお許しください。無理をして歩けば、悪化してしまいます」
「失礼だなんて、そんな……。あの、重くないですか?」
愛しい彼に抱き上げられ嬉しく思う一方で、体重を気にしてしまう。
ピアノの椅子の脚が折れたのはイザベルの悪巧みであったけれど、ドレスの胸元がきつくなったのは事実である。
乙女心から心配して問いかければ、ドアに向けてゆっくりと歩きだしたクロードが、セシリアを横目で見た。
その流し目に色気を感じて、さらに鼓動を高鳴らせれば、彼はクスリと笑う。
「抱き心地のよい重みです。このままセシリア様を抱いて、どこかへ連れ去ってしまいたい」
「ええっ!?」
「冗談ですよ。御者を待たせていますので、馬車に乗って帰りましょう。私の首に腕を回して掴まってください」


