自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-

驚いて言葉の出ないセシリアを、彼女は「滑稽ね」と嘲笑い、続きを話す。


「わたくしたちは親友で良きライバルですって? 冗談じゃないわよ、勝手に決めつけないで。あなたなんか失敗すればいいのにって、いつも思っていたわ。だから今日はーー」


サロンパーティーの開始時刻を勘違いして、遅刻したと思っていたが、それはイザベルの企みであったそうだ。

セシリアへ送った招待状にのみ、三十分遅らせた時刻を記入していたのだと、彼女は楽しそうに打ち明ける。

ピアノの調律を狂わせたのもわざとであり、椅子の脚が折れたのも彼女の仕業であった。

使用人に命じてのこぎりで切断した椅子の脚を糊でくっつけ、塗装し直したのだと暴露する。

その椅子に彼女は気をつけて腰掛けていたが、知らずに座ったセシリアは、まんまと罠にはまって転がり落ちてしまったというわけだ。


今まで溜め込んでいた気持ちを出し切ったせいか、イザベルはスッキリとした笑顔を見せる。

セシリアがショックを受けているのだと思い込んでいる彼女は、クスクスとおかしそうに笑っていた。

しかしながら、イザベルの期待通りにはいかないようである。