雄太とあたしは、このまま。


これが一番いい決断。


そのはずなのに……。


こんなに寂しくて悲しいのは、どうして?


まるで心の中にポッカリ開いた大穴に、飲み込まれて消えていくような気分だ。


大切なものを失う不安がなくなれば、安心できるはずなのに‥‥‥。


あたしが雄太を想う気持ちは、これからも変わりない。


そしてこの気持ちが叶うことも、決してない。


自分から諦めてしまった、叶わない恋が悲しいんだ。


でも、そんなの最初から自分でもわかってた。


もともと昨日までは告白する気もなかったでしょ?


ずっと昔から、ただ好きでいるだけで満足だったでしょ?


これからも片想いはできるんだから、それでいいでしょ?


あたしは黙って隣にいればいい。


あの大好きでたまらない横顔を見上げていればいい。


切なくて、熱くて、ギュッと苦しくて、甘くて優しい苦しみを胸に抱えながら。


そんなものぜんぶぜんぶ押し殺して、一生声にださないで、黙って。


ただ、黙って、隣に……。