ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。

そうだよ。だってあたし、美人でもかわいくもない、こんな平凡な女の子なんだよ?


雄太とは釣り合わないよ。


すぐに幻滅されそうな気がする。そのとき雄太はあたしに、どんな態度をとるだろう。


きっと、あたしと目を合わせてくれなくなるだろう。


重苦しい空気の中で、押し黙ったまま違う方向を向き合って。


同じ部屋にいるときでさえ、まるで透明人間みたいに扱われて。


あの素敵な笑顔を見せてくれなくなって、血の通わない人形みたいに無表情になる。


そして優しい言葉も二度と言ってくれなくなるんだ。


手に取るようにわかる。だってあたしは実際に、お父さんとお母さんの現実を嫌というほど見てきたんだもの。


そしたらあたし、雄太を失ってしまうの? 大好きな雄太を失う……?


考えただけで背筋にゾッと悪寒が走った。


雄太が氷のように冷たい目であたしを見る姿がリアルに思い浮かんで、思わず悲鳴を上げそうになる。


嫌だ!


雄太を失うなんて、絶対に絶対に耐えられない!


子どもの頃からずっと、あたしには雄太だけ。雄太の代わりなんているわけないし、次の恋もないよ!