別れてしまえば気持ちも消えて、もう二度と相手を大切だと思えなくなってしまう。
「お父さんとお母さんだって昔は笑顔で見つめ合っていたのに、今では目も合わせないもんね……」
「恋人同士になった結果として嫌い合ってしまったんなら、いっそ幼なじみのままでいた方がよかったって、瑞樹のお母さんは言ってるんじゃない?」
海莉の言葉と予鈴が重なった。
「あ、予鈴鳴ったね。もう教室に行こう」
あたしが立ちあがると、海莉は自分の両耳を手でギュッと押さえて首を横に振る。
「予鈴なんか聞こえなーい。ここでずっと瑞樹に付き合うよ。いくらでも吐き出して」
そんな優しいことを言ってもらえて、心がじわっと温かくなった。
昨日からずっと、濁った沼の底に沈んでるような気分だったけれど、海莉のおかげでなんだか少し気持ちが軽くなった気がする。
「ありがとう。でももうだいぶ吐き出したから大丈夫」
それに、いくら吐き出しても吐き出し切れるもんじゃないし。
学校に来た以上、授業はちゃんと受けなきゃ。サボるにしたって海莉を巻き込めない。
「また吐きたくなったら、その時はよろしくね」
「もちろん! あたしのことを大容量の洗面器かエチケット袋だと思って、遠慮なくじゃんじゃん吐いて!」
ニコッと笑って力強く言ってくれる海莉を見たら、自然と頬が緩んでいた。
ありがとね。
海莉はいつも明るくて、お日さまみたいですごく心強いよ。
苦しいときは、その眩しい笑顔が助けになるんだ。そばにいてくれて、本当にありがとう。
「お父さんとお母さんだって昔は笑顔で見つめ合っていたのに、今では目も合わせないもんね……」
「恋人同士になった結果として嫌い合ってしまったんなら、いっそ幼なじみのままでいた方がよかったって、瑞樹のお母さんは言ってるんじゃない?」
海莉の言葉と予鈴が重なった。
「あ、予鈴鳴ったね。もう教室に行こう」
あたしが立ちあがると、海莉は自分の両耳を手でギュッと押さえて首を横に振る。
「予鈴なんか聞こえなーい。ここでずっと瑞樹に付き合うよ。いくらでも吐き出して」
そんな優しいことを言ってもらえて、心がじわっと温かくなった。
昨日からずっと、濁った沼の底に沈んでるような気分だったけれど、海莉のおかげでなんだか少し気持ちが軽くなった気がする。
「ありがとう。でももうだいぶ吐き出したから大丈夫」
それに、いくら吐き出しても吐き出し切れるもんじゃないし。
学校に来た以上、授業はちゃんと受けなきゃ。サボるにしたって海莉を巻き込めない。
「また吐きたくなったら、その時はよろしくね」
「もちろん! あたしのことを大容量の洗面器かエチケット袋だと思って、遠慮なくじゃんじゃん吐いて!」
ニコッと笑って力強く言ってくれる海莉を見たら、自然と頬が緩んでいた。
ありがとね。
海莉はいつも明るくて、お日さまみたいですごく心強いよ。
苦しいときは、その眩しい笑顔が助けになるんだ。そばにいてくれて、本当にありがとう。


