ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。

その揺るぎない態度を見て、思った。


これは本来、雄太じゃなくてあたしが両親に聞かなきゃならないことだ。


だって今雄太がした質問こそ、両親の離婚が決まってからずっとずっと、あたしがふたりに聞きたかったことなんだ。


でも……。


「ゆ、雄太。いいよ。そんなこと聞かないで」


あたしは指先で雄太のシャツを小さく引っ張りながら、小声で言った。


本当は両親に答えてほしい。


本音を聞きたい。あたしのためを思った嘘とかは、いらない。


その本音があたしの望む言葉なら、あたしの心は救われるんだ。


でも、もしも両親の答えが『結婚したのは間違いだった。後悔してる』だったら?


あたしもう本当に立ち直れないよ。両親との間にも決定的に溝ができてしまう。


それに雄太だって、こんな風に人の心に土足で踏み込むようなこと、したいはずがない。


「もう、いいの。いいんだよ」


「よくない。結果を恐れて踏み出せないから、お前は自分で自分を苦しめている。違うか?」


あたしはグッと言葉をのみ込んだ。雄太の言う通りだ。