ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。

ねえ、わからないんだ。


答えはどこにあるの?


未来に不安を抱きながら信じることに意味なんてあるの?


いずれ無意味になるかもしれないことに、価値なんて本当にあるの?


そんな風に、大切なものを信じ切ることもできないくせに、諦めることも捨てることもできない。


『失いたくない。怖い怖い』とベソベソ泣いて、しゃがみ込んでヒザを抱えているんだ。


こんなみっともなくて、情けない自分の存在こそ無意味で。


あたしはどんどん、どんどん自分を嫌いになっていく。


嫌い。嫌い。


本当に嫌い。


こんなあたしなんか……大嫌いだ!


「おじさん、おばさん。無礼を承知で聞きます」


自分で自分を否定する痛みに必死に耐えるあたしの耳に、雄太の声が聞こえる。


涙のにじんだ目で見上げると、見たこともないほど真剣な目をした雄太がいた。


あたしが憧れるあの強い真っ直ぐな視線で、雄太はお父さんとお母さんと向き合っている。


「ふたりが結ばれたことを、後悔していますか?」


それはひどく直球で、容赦ない質問だった。


人の心を傷つけてしまうような、無遠慮で危うい質問に、さすがにお父さんとお母さんの表情も厳しくなる。


でも、はぐらかすことを許さないほど、雄太の目も声も真摯だ。